神社の
可能性を拡げる
私たちSAISHIKIは、 未来に神社が在るように、
その新たな可能性を創造し、
自然と人、人と社会の調和を表現し、
人々が日常に直るための装置となる。
SAISHIKIと和布刈神社
私は和布刈神社の32代目神主です。
当神社は代々、他の仕事と兼業で神主の仕事を行っていました。 神社の運営は、お正月の収益を12ヶ月按分して運営しておりましたので、 先先代は胡蝶蘭の生産、先代は古物商で生計を立て、神社と家族を支えていました。 私も先代達と同様に兼業神主として、神社と家族を守っていこうと考えていました。
ただ、お正月以外は参拝者がいない中で、毎日する事といえば草むしりと掃除を行う事しかできず、
『神社が昔と同じように人々の暮らしの中にあるようにするにはどうしたらいいのだろうか』 『生活のなかで神社が必要とされる機能をつくることができれば神主の仕事だけでも成り立つんじゃないか。』
そう考えるようになっていたのです。
そこで、『神社をあるべき姿へ』というビジョンを定め、
由緒の整理や神道の歴史を掘り下げる中で、古来から行われてきた弔いの一つとしての『海洋散骨』を開始し、 多くの方々のご相談を受けることができるようになり、ビジョンへの解像度が高まりました。 私はこの取り組みが和布刈神社だけでなく、日本の神社のあるべき姿だと考えています。
神さまと参拝者を繋ぐ儀礼の作法を「祭式(さいしき)」と言います。
これからは、社会と神社を繋げ、神社の可能性を拡げる一助となるために、私は『株式会社SAISHIKI』を立ち上げました。高瀨 和信
株式会社 SAISHIKI 代表取締役社長宗教法人 和布刈神社 禰宜
1985年生まれ。皇學館大学神道学科卒業。
2009年に和布刈神社に奉職し、2010年に32代目禰宜を拝命する。正月の収益のみに依存する現状に違和感を感じ日々の収益を安定させる施策として、2014年に今後の弔いの形の変容に対応すべく古来から執り行われていた「海洋散骨」を開始。「神社をあるべき姿へ」というビジョンを掲げ、2019年12月、創建の由緒に基づきコンセプトや神紋、授与所などを新装。また、神主の担い手が減少する中で、優秀な人材を神道系の大学以外から雇用を開始し神主の資格取得を斡旋。
2022年6月、株式会社SAISHIKIを設立し「神社の可能性を拡げる」というビジョンを掲げ「由緒×社会課題」に舵を切る。
神社のこれから
日本にある神社の数は8万8千社余りといわれ、コンビニの数より多いと言われています。
多くの神社は主に、賽銭と祈願、お守りというこの3つの柱から成り立っており、
特にお正月の三ヶ日に1年分の収益を確保し、12ヶ月按分し運営している神社が殆どです。 この正月の収益に依存することをやめない限り消滅という結末が待っているでしょう。
一方で人口が減少しているものの、高齢化が進んでおり、 2040年になると年間170万人の方がお亡くなりになります。 これは、第一次葬儀時代が幕開けするということで、 2025年には4人に1人が75歳以上に達すると言われています。
本来神社とは、人生の節目を祝う儀礼や、亡くなった方を弔う、 冠婚葬祭を通して人智を超えた概念への敬意を表す場所です。
私たちSAISHIKIは、この神社本来の機能を整理して、 神社消滅の問題と高齢化社会の課題を解決していきます。
神道と弔い
現代社会では、虚空感が失われる人世界の均質化に違和感を感じる人が多くなってきたと感じます。
この虚空の世界観「奥」追求の中で、人類は「隠り世(あの世)」を生み出しました。
この「奥」の起原は13万年前のネアンデルタール人の時代に遡ります。 冬の間は組織的に狩猟を行い、食糧を貯蔵し、定住生活を送っていました。 そのため、明日を生きるために今日を考え準備する必要があり、 この段階で現在を過去と未来の接点としてみるような時間意識が生じ、 死や死後の世界というものを意識するようになりました。
この時間意識の中で最も到達しがたい虚空の世界観を「奥」と表現します。
その果てしない世界観に「豊かさ」という究極の概念も感じ取ることができます。 人生儀礼の文化の中にみられる怖れや祈り、得体の知れないものへの畏怖の念、 底知れない想像力といった奥行きや、深さや、豊かな想像力や感性を表す場所として神社ができました。
人類が創りだした「奥」の世界がもつ不思議な雰囲気や意味を失うということは それだけ人間の心が均質化し、「奥」が失われていくということなのではないでしょうか。
私たちは、未来に神社が在るように、その新たな可能性を創造し、
⾃然と⼈、⼈と社会の調和を表現し、⼈々が⽇常に直るための装置となっていきます。企業概要
会社名 | 株式会社SAISHIKI |
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設立日 | 2022年6月17日 |
所在地 | 福岡県北九州市 門司区門司3492番地 |